Stephan Genz (独 Bariton 1973〜)
シュテファン・ゲンツ

リート・ルネサンスを担うドイツの若手バリトンの一人。
特に高音域での美しく輝くハイ・バリトン、爽やかな表現で多くの期待を集めている。

1973年ドイツのエルフルトに生まれ、兄クリストフ・ゲンツ(テノール)と共に聖トーマス教会聖歌隊で歌う(この間2度の来日)。
ライプツィヒ音楽大学でハンス・ヨアヒム・バイアーに師事、
その後カールスルーエで白井 光子、ハルトムート・ヘルに、ベルリンでディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ、エリザベート・シュワルツコプフらに師事。
1994年ブラームス国際コンクール第1位、同年フーゴー・ヴォルフ・コンクール第2位。
1997年シューベルト・イヤー、シューベルティアーデにおいて「冬の旅」を代役で歌いセンセーショナルなデビューを飾った。
2000年日本初リサイタル、2002年2度目のリサイタルどちらも長年共演しているロジャー・ヴィニョールズとの「冬の旅」で見事な演奏を聴かせた。

現役歌手では最もリート録音に力を入れている歌い手だが、それに対して他のジャンルではほとんど知られていない。
兄のクリストフ(ライプツィヒで行われるヨハン・ゼバスティアン・バッハ国際コンクールで1996年男声部門第1位)は
バッハを中心に宗教曲で広く活躍、録音しているが、シュテファンは不思議とそれほどバッハを歌ってはおらず、このジャンルも専門外と見られている。
(90年代後半、S.クイケン指揮シュッツの「クリスマス物語」の録音でエヴァンゲリストを務めた際には、
『レコード芸術』の国内盤紹介のページで某批評家に「重要な役柄になぜこんな無名歌手を起用するのか」とこきおろされたことがある)
ただ2008年聖金曜日のトーマス教会でのJ.S.バッハ「マタイ受難曲」ではイエスを務め、素晴らしい歌唱を披露した。

2008年ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンでミシェル・ダルベルトと「白鳥の歌」など2回のリサイタルなどを行い、
最終日のシューベルト自作コンサートの再現コンサートでも多くのリートを歌って喝采を浴び、
リートファン以外にも次第にメジャーな存在になりつつある。



主な録音:
シューマン「ハイネ歌曲集」
ベートーヴェン歌曲集
ブラームス「ドイツ民謡集」
ヴォルフ 「メーリケ歌曲集」、「アイヒェンドルフ歌曲集」
マーラー「さすらう若人の歌、亡き子を偲ぶ歌」、「子供の不思議な角笛」